内出血:針が細かい血管を傷つける事により起こります。当院では予防のため血管を保護する薬を事前に飲んで頂く場合もあります。
しこり:浅く注射しすぎた場合、もしくは人体の免疫反応により起こる事があります。起こってしまった場合は、温めながらマッサージを繰り返すと減る事があります。重度の場合には、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの注射を行います。
チンダル現象:浅く注射しすぎたとき、もしくはヒアルロン酸の移動により起こります。青白く光る感じになります。
肉芽腫:ヒアルロン酸注射の数ヶ月後に、ヒアルロン酸を異物と認識した体の免疫反応によりしこり(nodule)が起こります。ステロイド、抗炎症作用を持つ抗生剤、5−FU剤により治療します。最終的には、除去が必要になる事もあります。
遅発性アレルギー反応:数週間から数ヶ月後に、ヒアルロン酸注入部位の周囲に紅斑,赤みが生じます。抗炎症作用をもつ抗生剤により治療します。
ヘルペス:ヘルペスの既往がある方は、ヒアルロン酸注射をきっかけにヘルペスウイルスの再活性化が起きる事があります。当院では、該当する方には、予防的な抗ウイルス薬の投与を行いますが、それでも100%発生を予防する事はできません。実際に起きてしまった場合には、入院し点滴による抗ウイルス薬の投与が必要になる場合があります。
血管閉塞:ヒアルロン酸の血管内注入、もしくはヒアルロン酸の注射による周囲の血管の圧迫により、血流が遮断され、蒼白、網状の皮疹、皮膚壊死が起こる事があります。約1000人に1人の確率で起こるとされています。先の丸い鈍針を使っても、100%防ぐ事はできませんが、解剖学的知識と注入部位に細心の注意を払う事で、リスクを最小限にする事ができます。ヒアルロニダーゼの注入、抗凝固薬、血管拡張薬を用いて治療しますが、それでも治癒後大きな跡が残る可能性が高いです。なお、海外での話になりますが、このケースでは、自己注射による失明例、死亡例も報告されております。
↑他院で行われた法令線へのヒアルロン酸への注入による皮膚壊死です。
ターズクリニック新宿では、既往等によりリスクが高いと考えた方の治療はお断りする事があります。
他院で施術された方の副作用の治療は行っていません。
これらの症状が万が一にも起こってしまった場合、当院で出来る限り対応いたしますが、該当する専門医療機関での治療をお願いするケースもあります。
全世界で何百万人という方が受けられている治療ですが、ヒアルロン酸注入も医療行為であり、各々起こる確率は非常に少ないものですが、リスクはゼロではない治療です。当院では副作用を少なくするためどこよりも配慮しております。