創傷治癒は、失われた細胞塊および細胞外マトリックスと入れ替えるために必要な、大量のタンパク質を産生するという点において特徴付けられる。正しく折り畳まれないタンパク質が蓄積するなどして小胞体にストレスがかかることに起因する小胞体ストレス応答(UPR)は、タンパク質合成の増加にかかる重要な適応細胞応答である。 UPRの主要成分の1つは、転写因子XBP1の活性化形態を生成するエンドヌクレアーゼ活性を有するER膜貫通タンパク質であるIRE1である。 XBP1スプライシングのためのルシフェラーゼレポーターマウスを使用すると、細胞増殖およびマトリックス沈着のためのタンパク質合成の大部分が起こるとき、IRE1が創傷治癒の際の切除創傷治癒中にアップレギュレーションされる。さらに、IRE1の小分子阻害剤を使用して、IRE1の阻害が治療されたマウスにおける瘢痕形成を減少させる。これらの結果は、肥厚性瘢痕マウスのモデルにおいてしめされている。また、これらのデータは、肥厚性瘢痕およびケロイド障害の治療においてターゲットとなる経路となる可能性がある。